福祉の人材確保にはお金をかけるべきだと思う

介護現場の現状②

小松久子区議(左)、市橋綾子区議(右)と
小松久子区議(左)、市橋綾子区議(右)と
私の親戚に父親を病気で亡くした青年がいます。父親が自宅で逝くのを看取った彼は、そのときに入ってくれた訪問介護の方たちに本当に助けられ、自分もその道を目指すことを決めました。

それまで生計を立てていたアルバイトを辞め、介護老人保健施設(老健)に勤めることにしたのですが、資格がないためフルタイムで働いても時給1,000円前後で、一人暮らしを維持することも難しい情況になりました。先日連絡をとると、老健に勤めながらコンビニでアルバイトをしていると言っていました。

彼には高い志があるからこんな境遇でも仕事を続けていますが、ふつうこんなことができるでしょうか。私が実習で行った特別養護老人ホームも常に人を募集していて、人が入れ替わり立ち代り入ってきては、すぐに辞めていく状況でした。そのためいつも人手不足で過重労働なのに、一人暮らしがやっと出来るか出来ないかのお給料しかもらえないのです。

それよりさらにひどいのが訪問介護者の待遇です。1回のケアが30分から2時間ぐらい、時給が1,200円から1,500円ほどです。でも1日に行けるのは多くても3件から5件です。お宅からお宅への移動時間、利用者の時間が優先されるのでどうしてもそのくらいの数にしかなりません。

これでは一家の大黒柱になれないのはもちろんで、1人暮らしすらまったくできません。これは問題だということで、昨年の10月からは処遇改善のための方策がとられていますが、それまでの待遇に数パーセント上乗せされるだけで根本的な解決にはなっていません。

福祉というのは利益を生み出せるところではありません。必要なところにはしっかり税金を使って人材を確保することが必要だと考えます。