子どもを放射能から守るために、日本はチェルノブイリから学ぶべき

「チェルノブイリへのかけはし」野呂美加さんの話を聞いて

母親たちが子どもを放射能から守るために立ち上がった「杉並あんしんプロジェクト」が企画した学習会、“チェルノブイリからわかること 〜今、子どもを守るために”に参加し、チェルノブイリへのかけはしの代表、野呂美加さんのお話を聞いてきました。

チェルノブイリへの架け橋ではベラルーシの原発事故で被災した子どもたちを1か月間日本に呼んで保養してもらうという活動を19年続けてきました。
具合が悪く鼻血を出し続けていた子ども達が日本に1週間もいると鼻血が止まり、どんどん元気になっていったそうです。新陳代謝が著しい子どもたちは、汚染されていない地域に移ると体の中の放射性物質がすぎに排泄され始めます。この活動を始めた時は、放射性物質が体から抜けていくことは科学的に証明されていなかったけれど、今は転地療養が科学的にも有効なことが分かってきたそうです。今年は福島第一原発の事故のためチェルノブイリから子どもたちを日本に呼ぶことはできず、逆に福島の子ども達がイタリアに1か月間呼んでもらって行ってきましたとのこと。

チェルノブイリと福島で、まったく環境が同じということはないけれど、今放射能汚染を考えるときに一番参考になるのがチェルノブイリだと思います。
事故から3年後、180Km離れたところの村で子どもたち全員の具合が悪くなり、放射線量を測ったところ高い値が観測されました。その村は廃村になりました。そこの放射線の値が0,412マイクロシーベルト。チェルノブイリでは1マイクロシーベルトを超えると、今すぐ立ち去りなさいということです。でも福島県郡山市や福島市では1マイクロシーベルトを超えるところで子どもたちが普通に生活をしています。3月27日に郡山市で計ったときの値は8.78マイクロシーベルトあったそうです。

野呂さんがイタリアに福島の子どもたちを引率していったとき、そこの仲間達から「あの科学技術があって、なんでもしっかりやる日本が子どもたちを助けないのが信じられない」ということを何度も言われたそうです。私はこれまでの政府の事故対応を見ていて、政府は国民を守る気はないと理解しています。だから、それに気が付いている大人が回りに伝え、子どもたちを守るしかないと思っています。

どうやって身を守るか、そんな話もたくさん聞けました。
体の排泄力、免疫力を高めておくこと。精神的に安定していること。前に進む覚悟をすること。そして祈ること。東洋の知恵、ヨガや気功など自分が気持いいことを生活に取り入れること。放射能汚染が少ない良い食べ物をとること。健康を作る生活習慣、早寝早起きなど、自然のリズムにそって生活すること。日本の豊かな発酵食を生活に取り入れること。遺伝子が傷ついたときに再生してくれる酵素を体内に取り入れること。
きびしい話でしたが、同じ気持ちのお母さんたちと会い活動する勇気をもらってきました。