2019そね文子の挑戦【その10】特別養子縁組制度をひろげたい

区議会議場で発言するそね文子

虐待によって死亡する子どもは生後24時間以内の赤ちゃんが最も多く、しかも実母による場合が60%という状況が続いています。妊娠した女性が医療機関にまったく行かず未受診のまま自分で生んで遺棄するケースも少なくありません。予期せぬ妊娠に悩み孤立状態にある妊婦を相談機関につなげることが最も重要です。

杉並区の妊娠に関するホームページには祝福ムードがあふれていて、予期せぬ妊娠にひとりで悩む女性が相談できるような呼びかけが全くありません。私は3月議会の予算委員会で、区のホームページに民間のノウハウも取り入れ、予期せぬ妊娠に悩む妊婦が「ここに相談できる」と感じられるような工夫を求めました。

また、自分で生んでも育てられない事情のある妊婦と,特別養子縁組を希望する養親とが出産前につながり、安心して子どもを託せるような制度として、愛知方式による特別養子縁組制度を取り入れることも提案しました。

この愛知方式とは、愛知県の産婦人科医のグループが、不妊治療をするカップルと予期せぬ妊娠に悩む女性を出産前に結び付け、出産した病院で赤ちゃんを受け取るというシステムです。この方式なら、赤ちゃんが、生まれたときからずっと特定の大人との愛着形成を育むことができるという、子どもにとって一番の方法です。私は、この取り組みを東京にも広げていきたいと考えています。

児童相談所はいま東京都の事業として設置されていますが、児童福祉法が改正され、23区は2017年から区で設置できるようになりました。2020年には世田谷区、荒川区、江戸川区が児童相談所を開設する予定です。

杉並区でも設置を目指し、区内1か所だった子ども家庭支援センターを3か所に増やしました。3年間でその人員を3倍以上の26人に増やしていく予定といい、私はこの動きを注視しつつ後押ししていきます。