日本中にあったらいい!みんなの居場所、”ひとのま”視察

富山県高岡市、国宝の瑞龍寺の近くにある、一軒家を開放したコミュニティハウス「ひとのま」に杉並ネットの福祉部会で行ってきました。

 玄関を入ると、開け放された大広間にあるテレビの前で、子どもたち5~6人が一緒になってわいわいとゲームをしているのが目に飛び込んできました。

「“ひとのま”って何?」と聞かれると、フリースクール、コミュニティスペース、相談窓口、シェルター等々、いろんな顔をもったところという答えが返ってきそうです。ここのあるじの宮田さんが、ここができた時から一貫して言ってきたことは、「一軒家を開けてるから、誰でも来ていいよ」ということ。そして本当にいろんな問題を抱えた人が来るようになったということです。

 不登校の子どもたち、自殺未遂をしてしまった高校生、精神障がいを持った人たち、貧困、DVで逃げてきたシングルマザー等々。そのひとりひとりにていねいに向き合い、ひとのまに集う人たちの力も借りながら問題に対応している在り方は見事!

 宮田さんから聞いた話の1例、引きこもっていた人の相談を受け当事者とのやりとりをあげてみます。その人は、外に出なくてもネットで買い物もできるし、ゲームもできるし、ご飯も出てくるし、外に出る理由がないと話したそう。それを聞いた宮田さん、「引きこもりも、なんか良さそうだね」と受け止め、でも外もいろいろ楽しいことがあって結構いいから、外に出たくなったときは言ってよ。そのかわり、オレが引きこもりたくなったら方法を教えてと話たそう。また、引きこもっている自分の気持ちはあんたにはわからない、と言われた時は、自分はわからないけど、今度気持ちのわかる奴を連れてくるから、と言って、以前引きこもっていた、今はひとのまに来ている人を連れて行ったそう。こんなやりとりを重ね、50代で引きこもっていた人もやがてひとのまに来るようになったということです。

 ここに来た人には「親戚の家だと思って過ごして」と声をかけているそう。とても忙しいのに7人もの大人数でお邪魔した私たちも、まさに親戚の家にいるような気安さで居られた「ひとのま」体験となりました。

後でひとのまのホームページを見たら、こんな場所を日本全国に作りたいと書いてあって、本当にその通りだと思いました。大阪の寝屋川市で中学1年生2人が殺害された痛ましい事件も、夜、泊まる場所がなくて街をさまよっていたことが原因だったことを考えると、2人がひとのまのような所に出会えていたらと思わずにはいられません。「一軒家を開けているから、誰でも来ていいよ」こんな風に言ってくれる場所が日本中にできたら、社会が変わり、多くの人が生きやすくなる、私もそれを願って活動しようと思います。