子宮頸がんは非常に進行が遅くウィルスに感染してからがんに進行するのに十数年がかかりますから、定期的に検診を受けることにより早期発見され、完治する確立が非常に高く、その後出産もできるそうです。ですから死亡リスクを減らすために1番重要なことは、検診の受診率を上げることなのです。
国における現在の受診率は2割といわれます。年代別に見ると、20代が3%、30代が10%となっていて、発症率が高い世代の受診率はさらに低いことがわかります。
杉並区の受診者の年齢別内訳がどうなっているか質問しました。
20代が16%、30代が27%、40代が26%、50代が20%、60代が19%との答え。20代、30代、40代が国の平均に比べて高いことは、区が様々な努力をしている事の結果と評価するものです。
HPVの感染に対しては自身の免疫力を強化しておくことも重要です。そして免疫力をあげることはすべての病気に対して予防効果があり、そのためにはバランスのとれた食事や健康に配慮した生活習慣を身に付けることであり、予防接種や健診よりも優先される方法だと思っています。
最後に、子宮頸がんワクチンの課題として、女性の負担がおおきいということを指摘しました。HPVは男女間で感染するため、このウィルスを根絶するには男女両方に打たなければならないのです。今女性だけに接種しているのは男女両方に打つより費用が安く済むという理由です。このワクチンの開発者のハラルド・ツアハウゼン博士は2011年5月に来日し、参議院議員会館で講演した際に「若い男性は女性より性的に活発なのだから、男性に接種したほうが予防効果は高いかもしれない」と話したそうです。子宮頸がんを防ぐ効果があるかどうか見るためには女性にワクチンを接種する必要がありますが、効果を示すデータが集った後は女性に限る必要はないのです。今、女性は新しい薬の実験台になっているという見方もできます。
ワクチン助成だけに偏ることなく、男女がお互いを尊重するための性教育、さらなる受診率の向上、免疫力を上げるためのバランスのよい食事や規則正しくストレスの少ない生活習慣の啓発などに取り組むよう要望しました。