減災フォーラムで被災地のかかえる問題を聞きました

課題や改善点を記録し蓄積して、支援計画作りに生かすことが必要です

杉並・生活者ネットワークが開催した連続減災フォーラムの最終回が9日に開かれました。防災都市計画研究所会長の村上處直(すみなお)さん、杉並区社会福祉協議会所属でNPO法人日本ボランティアコーディネーター協会の理事でもある疋田(ひきた)恵子さんのお話をうかがいました。

疋田さんは杉並区社会福祉協議会の仕事として福島で災害ボランティアセンターを立ち上げ、これまで何度も現地に足を運んでこられました。
発災直後から1週間の避難所は満員でぱんぱんの状態だった。隣に居るのは知らない人。そこであるグループの人たちが炊き出しをしていたが、その人たちが仕事を独占してしまい他の人たちがやることがなくなっていた。日々の活動をみんなで担えるよう分担することが必要。
家の倒壊はまぬがれ、自宅で生活していた人たちは避難所で食事をもらうことができず、街中の店が閉まっており、食料、灯油もガソリンも買えず、そういう面では避難所で生活するよりも厳しい状況におかれていたとのこと。
このような現場の問題や改善点を記録し蓄積して支援計画作りに生かすことが必要です。

村上さんはFEMA(アメリカ連邦緊急事態管理庁)で活動していた経験があり、そこで体験したこと、また多くの災害の現場に足を運び行ってきた活動の話をしてくださいました。
FEMAではお金をどのように配分するかがきちんと決まっている。日本のようにボランティアが自腹で交通費・宿泊費を出しているのに甘えていては復興は進まない。
ある被災した高齢者の家を訪ねたとき、お弁当が大量に腐っていた。配られるお弁当をいつももらっていたが食べきれずにいたそうだ。お弁当を配るのではなく、クーポン券を配り、必要なときに近くのお店で引き換えられるようにする工夫があればよかった。
  横浜市で防災対策作りに協力したときに、すべての消防署に隣接して体育館を建てて、消防士が空いた時間に常に体力づくりができる環境を作った等、現場からの実際の課題を大きい視点でとらえた、様々な話を聞くことができました。

今週末に杉並ネットや地域協議会の有志でバスを仕立てて宮城県石巻市近くの牡鹿半島に災害復興ボランティアに行く予定です。夜行バスで行って1日だけの活動ですが、実際に支援活動を体験して自分のできることを考えたいと思います。