2019そね文子の挑戦【その11】空き家を福祉の拠点に

杉並区の現在の高齢化率は21%です。全国平均と比べて高くはありませんが、ひとり暮らしが多いのが杉並区の特徴です。団塊の世代がすべて75歳以上になる2025年には区内の高齢者は約1万人増えることになります。

激励に来てくれた若林ともこ前神奈川県議とともに 4/17

今後進む超高齢社会に向けて、特別養護老人ホームの整備や在宅介護の体制を強化していくことが重要であることは言うまでもありません。一方で、介護予防や健康寿命を延ばすための取り組みが多様に展開されるための支援も重要だと考えます。

私が考える提案は、空き家を活用した福祉の拠点づくりです。私は区内の福祉NPOでヘルパーとして働いていました。高齢者の生活援助や介護、障がい者の外出のお手伝い、産後間もない家庭での家事支援などを行ってきました。

 

そのNPOで働いていた先輩ヘルパーたちがいま、地域の空き家を活用して誰もが集える居場所、カフェを開いています。ヘルパーをしていたので調理も上手で、手作りのランチは大好評です。スタッフがちょっとした困りごとの相談に乗ることもあるし、介護の専門家につなぐこともできます。

また高齢者が趣味のサークル活動を行ったり、赤ちゃん連れの親子が集う場がもたれたり、多彩な活動の場として使われています。

訪問介護の仕事は体力的にきつくなっても、これまでの自分たちの経験を活かして新たな仕事を生み出し、地域の誰もが集える居場所、福祉の拠点となっているのです。高齢になっても持てる能力を生かして積極的に社会に参加することはすばらしいことだと思います。利用する側から見れば、ひとり暮らしの高齢者が気軽に出かける場所があることも重要です。

空き家は放置すれば環境問題ともなりますが、これを活かせば地域の資源となります。私はこのように空き家を活用し、誰もが集える地域の居場所を区内にたくさんつくりたいと思います。そして、子育ても介護も孤立させない、支え合いの地域共生社会をつくっていきたいと思います。