30人以上が集まったと思います。暗くなったら明かりはキャンドルのみ、水は外の井戸のようなところから運ぶ、料理に使う火は囲炉裏と薪ストーブ、外の焚き火でした。仕事は薪割り、風呂焚き、料理があり各自が好きなところを担当します。私は料理班を選びました。
まもなく冬至を迎えるこの季節、台所はあっという間に暗くなっていきます。キャンドルの明かりの暗いこと、ほとんど真っ暗な中で包丁を使うことになりました。電気も水道もガスも使えないことは想像以上に大変なことでした。
部屋が真っ暗で床の窪みが見えず、そこに足をとられ転倒する人が出たりもしました。寝室で荷物を探すときに、友人がこっそり持ってきた懐中電灯の明かりの有難かったこと!
翌朝はぽつぽつ雨が降っていました。朝食のあと、洗い物を外でしたくなくて「水道だけは出して!」なんて言ってしまう自分がいました。でも結局は出してもらわずになんとか知恵を絞って最小限の水できれいに食器を洗い終えたとき、自分の生きる知恵と力が増えたように感じました。
電気やガス、水道のない時代には、それにあった暮らしがあったことでしょう。暗くなったらあまり動かない、特に日暮れが早い寒い季節は、囲炉裏を囲んでおばあちゃんの物語るおはなしを聞きながら皆で時を過ごし、あとは早く寝るというシンプルな暮らしであったと想像します。
こんな暮らしを毎日取り入れろというのは現代ではまったく無理な話です。でも、このときの体験が自分に変化を起こしていました。それは、ゲストハウスから我家に戻ったとき、電気、ガス、水道に心から感謝する自分がいたことです。そしてその感謝の念は、資源の節約に自然と繋がっているのでした。