よい絵本は子どもの生きる力を育てる

子育て中の親のための講座・交流会はとても大切です

大好きな本 いたずらきかんしゃちゅうちゅう と てぶくろ 
大好きな本 いたずらきかんしゃちゅうちゅう と てぶくろ 
毎晩寝る前に息子に本を読んでやるのが我が家の習慣です。
息子はどんなに遅くなっても「今日は何読もうか」と必ず聞いてきて、本を読まないと寝てくれないのです。

「てぶくろ」という日本でも長く読み継がれてきたウクライナ民話の絵本があります。
おじいさんが手袋を落とし、その中にいろんな動物たちが次々に住み始め、その数はどんどん増えていき、最後にはクマが入ってきます。まったくありえない話だ、というのは初めて読んだ時の私の感想でした。そして息子にも「こんなに入れるわけないよねえ」などと言っていました。

あるとき良い絵本は子どもの生きる力を育て、子育て中の苦しいお母さんの気持ちも受け止め、助けになってくれるという興味深い話を聞き、お産とおっぱいおしゃべり会が主催する「絵本を楽しむ 〜とことん、質にこだわる絵本選び〜」という講座に参加しました。

そのときにこの講座で「てぶくろ」がお勧めの本として紹介されたのです。子どもは手袋にいろんな動物が入っていくのを自然に受け入れる空想力と柔軟性を持っている。子ども時代に楽しみ受け入れたことが、大人になって問題にぶつかったときに、その問題を四角四面に捉えるのではなく、もっといろんな角度から見る余裕と力を育ててくれるのだと。だから大人が「こんなのありえない」などという余計なコメントをしないでください、とお話されていたのです。まさに余計なコメントをしていた私。もっと早くこの話を聞いていれば、と心底思いました。ほかにも目から鱗が落ちる話が満載のすばらしい講座だったのです。講座後のランチ交流会では、講師の先生、参加したお母さんたちとのお話も本当に楽しく有意義でした。
もうひとつ、嬉しかったのは、この講座に子育て応援券が使えたことです。

子育て応援券については、昨年11月に杉並でも事業仕分けが行われ、「これまでの事業の目的と効果を検証し、今後のあり方を検討し抜本的な見直しを行う」という方針がだされています。

子育て応援券当初の目的のひとつは、子育て中のお母さんを孤立させない、ほっとできる時間を持つことでストレスを緩和し、子どもに八つ当たりしないなど虐待を防ぐことでした。
この絵本の講座のように母親に気づきを与えてくれ、子育て中のお母さん同士の交流もできる有意義な活動は、子育て応援券がたとえなくなっても続けてほしい。このような事業は区が支援して、多くの母親たちに情報を届けるしくみが必要だ、と強く思うのです。