すべての子どもが良い環境で学ぶのは子どもの権利

朝鮮学校への補助金、高校無償化の差別は子どもいじめです

学習会「外国人学校の子どもたちの学習権を子どもの権利条約の視点で問う」に参加して荒牧重人氏、田中宏氏の話を聞いてきました。
都内にどんな外国人学校があって、何人ぐらいの子どもたちが学んでいるのか?
その子どもたちの教育環境はどうなっているのか?というテーマでした。

東京都内には各種学校として認可された外国人学校が21校あります。この各種学校とインターナショナルスクール合わせた27校に、東京都は子ども1人あたり年間15,000円の「私立外国人学校運営補助金」を支給してきました。
しかし2010年12月、東京都は都内にある朝鮮学校10校を補助金支給対象から排除しました。

この都の補助金対象から除外された直後、そして民主党政権が行った高校無償化の対象から朝鮮高校がはずされたままという状況だった2011年2月、阿佐ヶ谷の第九初級学校で開かれた37回目の「日朝教育交流のつどい」に参加したときのことを思い出します。
そこで学ぶ小学生たちは、自分たちの学校だけが東京都からの補助金を受けられない、朝鮮高校だけが無償化の対象からはずされている、そんな社会的いじめに対し悲しく悔しい気持ちをかかえながら、けなげに勉学に取り組み、その成果を発表していたのを思い出します。大人としてこんな理不尽な思いを子どもたちに持たせてしまう社会を許していていいわけがありません。政策的に考えても、そのような社会的いじめを受けた子どもたちを生み出し続けることは明らかな損害です。

私は長年、留学生の支援団体で仕事をしてきました。そこは誰もが違うのが当たりまえという多文化共生社会で、自分がこれまで過ごしてきた学校、会社にはなかった居心地のよさを感じていました。それは「空気を読めないやつ」といってのけ者にされるような、みんな同じでなければならないという価値観から開放された、風通しのよい社会の心地よさでした。外国人の文化を認め尊重する社会は日本人にとっても住みやすい社会なのです。

いじめを助長するのは無関心です。お知らせのあった「朝鮮学校への東京都補助金の交付を求める署名」に協力することにしました。取り扱い団体は“朝鮮学校への公的助成を求める連絡会・東京”(国立市東3丁目11-2 ハロー国立103 スペース「こぶしの木」)です。