練馬区の資源循環センターを見に行ってきました。

廃食油からバイオディーゼル燃料が生まれる

見学に行った方たちと

練馬区では廃食油を収集し、それを精製して作ったバイオディーゼル燃料(BDF)で清掃車1台と環境教育に使うスケルトン車を走らせています。その先進的な取り組みの視察を生活者ネットの環境部会で企画し、練馬区資源循環センターに行って来ました。

 練馬区では区内42ヶ所で月1回、家庭から出る廃食油の拠点回収を行っています。家ででた廃油をペットボトルに詰めて回収場所に持ってきてもらうのです。23年度に回収された廃油は17,7tだそうです。でも今は全量は使いきれないため15tを売却しているとのこと。

 練馬区に設置された精製機では125リットルの廃油から100リットルのBDFができます。この精製機はJIS規格対応の最新型の機械で価格は1900万円。精製にこれだけ費用がかかると、元を取るのは無理な話だそうです。

 でもこのBDFは車に使えるだけでなく、発電機にも使えます。むしろ発電機に向いているそうで、これは地域の防災力を飛躍的にあげるものだと思います。BDFは軽油代替燃料として、基本的にディーゼル車で使えます。

震災で電気が使えなくなっても、発電機でこの機械を動かしBDFを精製できれば、ガソリンと電気が確保できるではないですか!

 今は2台の車に使われているBDFですが、この検証結果を受けて今後は機械をもっと稼動し取り組みを増やして行く計画もあるそうです。

元がとれるかの経済面だけを考えるのではなく、様々なルートから、身近なものを原料にエネルギーを生み出す取り組みは本当に必要だと思います。この精製機は準工業地域でないと導入できないものですが、そのための土地を練馬区が購入したということを聞き、資源循環を進める強い意志があったことをすばらしいと思いました。

 以前BDFのことを調べていての精製機を作り出した染谷商店でお話を聞きましたが、そこでは東京油田プロジェクトを立ち上げ、都内の店に協力してもらい廃油の拠点回収を行っています。すでにあるプロジェクトに区が協力することで、区内の廃油回収を進めることもできるのではないでしょうか。ごみは都市の生み出す資源ととらえ、循環型社会を作るためにいろんなアイディアを出して取り組みたいと思います。