大阪市立科学館で放射性廃棄物のガラス固定化処理の実物大模型をみる 【視察報告】

原発の仕組みを説明したパネルの前で

22日から24日まで所属する区議会文教委員会での視察があり、奈良、大阪、名古屋に行ってきました。2日目は大阪市のスポーツ振興の取り組みみついて大阪市役所で話を聞き、市立科学館を見学しました。

 今何かと話題の多い橋下市長のいる大阪市です。市は24区に分かれていて1区に1つのスポーツセンターとプールがあり、現在はスポーツに親しむ市民が多くどちらも90%以上の利用率だそうです。しかし、大阪の都区制度改革によって、この24区を9ブロックに再編し、プールは1ブロックにひとつ、スポーツセンターは2館の予算しかとらないので、後はそれぞれのブロックで工夫してなんとかすることになるそうです。それは“グレートリセット”と名づけられていましたが、具体的にどうするかは決まっていないことが多く、説明をしてくださった市職員の方達の表情は辛そうに見えました。

放射性廃棄物のガラス固体化の実物大模型

 約160億円をかけてつくられた市立科学館は300人規模の大きなプラネタリウムも併設されている施設です。この科学館、なんと100%関西電力からの寄付だそうです。1階の展示スペースは電力や放射線のこと、原子力発電の仕組みが詳しく説明されていました。

 核の再処理の過程ででる高レベル放射性廃棄物はガラスで固めて地下300mに埋めるとされ、そのガラス固化体を作るところがうまく行かず、そのため再処理工場の本格稼動は延期され続けている現実があります。長年再処理工場の稼動に反対してきて、ガラス固化体についてはさまざまな場所で聞く機会がありました。その実物大の展示が見られ、ガラスの直径30cm以内の筒を70cm以上のコンクリートで固めて捨てるばかばかしさを実感しました。そこに、もちろんうまく行っていないことは書いてありませんでしたが。

 この科学館の維持管理にも関西電力からのお金が間接的に入っていたましたが予算が削られて、今後の経営が困難になるという話が聞かれました。大きな箱ものを作るとそれを維持していくのは本当に大変なことです。