おしどりマコ・ケンさんの講演会で被曝について考える

観泉寺(今川2丁目)の紅葉

よしもとの夫婦漫才コンビ、おしどりマコ・ケンさんは福島原発事故以降、政府や東電の記者会見に出席し、福島の現場にも度々足を運び取材を重ね、様々なメディアで発信を続けています。市民グループ「松葉のダイオキシン調査実行委員会」が主催するお二人の講演会に参加しました。

 マコさんはよしもとに入る前は鳥取大学医学部で放射線による被曝の影響などを勉強しおり、放射線被曝に関する専門知識が豊富です。神戸の出身で阪神淡路大震災に合っていて、国や県を信用できないことはわかっていたから、自らがメディアになって真実を伝えようと思ったそうです。

  10月にベラルーシのベラルド研究所のネステレンコ所長が来日したときには、福島県内の視察に同行したそうです。伊達市の小国小学校の周りを測定し、通学バスの降り場が10μSV/hを超えていること、フェンスの外側が27μSV/hであったのに驚き、何度も何度も首をふっていたそう。また野焼きが行われている地域では70μSV/h地点も見つかったそうです。県内の放射線測定器が設置されたところの回りはキレイに除染され0.28μSV/h以下に抑えられた数値が公表されているが、実態はまったく違うといいます。ベラルーシでは0.5μSV/h以上の地域には子どもは住めないようになっているそうです。

 瓦礫についてどう考えるか質問すると、現地の人がどう言っているかを話してくれました。「瓦礫があっという間に持って行かれてしまった。現地に必要なのは仕事とお金だから、処理を自分達でやることで、それを仕事とし、お金も現地に入るようにしたかったのに」との声をたくさん聞いたそうです。瓦礫の焼却には1tあたり6万円ほどの補助金が出ます。遠くまで運べば運搬業者にもお金が入ります。こうして復興ビジネスが奪い合われたのが今の瓦礫処理の実態なのでしょうか。

 原発災害を受けた福島の人たちに水俣病の被害者の方達が、福島と水俣は被害の構造が良く似ているので、自分達の経験を生かして欲しいと来てくれたそうです。水俣病も一番汚染がひどいときにちゃんと検査をしてくれなかった。福島も原発事故直後には内部被曝の測定をしなかったから半減期の短い核種の被曝は測定できなかった。水俣病は劇症患者のことだけがクローズアップされ認識されているけれど、慢性の低濃度曝露の患者がたくさんいる。内部被曝も致死病だけがカウントされているけど、ベラルーシでは死には至らない皮膚がんなどの発症がとても多いのだそう。

 一番大切なことは、政府のデータを鵜呑みにするのではなく、自分達で測定してデータを持ち、被害者自身が声を上げることだと言います。東京にいる私たちも加害者であると同時に被害も受けています。私も放射能の被害について言い続けようと思います。