「いじめ防止プログラム」で学ぶ他人の気持ちを理解すること、自分を大切にすること

杉並生活者ネットの区議市橋あや子(右)、小松久子(中)と。 1/7

東京・生活者ネットワークの子ども部会主催の学習会で、湘南DVサポートセンターが開発し、小中学校で実施している「いじめ防止プログラム」について、理事長の瀧田信之さんにお話を聞きました。

このプログラムは初回が全体講演会で、続く4回がワークショップの形態をとり

①    いじめって何

②    いじめる側の気持ち、背景を考えよう

③    大切な自分

④    伝えよう自分の気持ち、の合計5回5時間をかけて行われます。

このプログラムでは生徒は全員でいじめる子の気持ち、いじめられたときの気持ち、ひとりひとりが大切であること、自分も相手も大切にするアサーティブな伝え方を体験を通して学びます。これはすべてオープンで保護者や地域の人が参加してもいいことになっています。瀧田さんは、いじめる子の原因は家庭にあると考えていて、保護者に向けてもお話したいと言います。

 5回を終了すると学校でいじめ防止に取り組む「スクールバディ」になりたい人の申し込みを受けます。希望者にはさらに8時間のプログラムが用意されていて、それを受講しスクールバディになります。スクールバディとは生徒同士による支えあいのシステムで、バディになった生徒はいじめを未然に防ぐための様々な企画を考え情報を発信し学校内で行います。学校には誰もが気軽に訪れ悩みを話したり、なんでも話していい場所としてのバディルームも設置されます。

 藤沢市ではすでに半分の公立中学でこのプログラムが実施されていて、いじめの認知件数が急増しているこの時期に件数が微減しているということです。子どもにとっては、いじめをなくすために活動している生徒が学校内にいることが安心につながり、これがいじめの抑止力になっているそうです。子どもが自尊心を持って生きることがいじめ防止につながることを子どもに伝えていくというこのプログラムを本当にすばらしいと思いました。

 瀧田さんはDV被害防止に取り組む中で、女性を助ける活動は多くあるが、その現場に一緒にいる子どもの支援がないことに気づき、女性も子どもも支援する方法を作り出してきました。

 このプログラムは、都内では世田谷区ですでに取り組まれていて、品川区でも教育委員会で予算が取られ4月から進められる予定だとのこと。(世田谷区では私の母校の桜木中学でされているということ!)公立学校で5時間を捻出するのはたいへんなことですが、総合学習の時間や道徳の時間をつかっているそうです。このすばらしい取り組みをぜひ杉並区でも考えてもらえるよう働きかけて行きたいと思いました。