地方都市のまち歩きで人口減少社会を考える
10月23日から25日まで、区議会区民生活委員会の行政視察で盛岡市、秋田市、仙台市に行ってきました。秋田市での視察を報告します。
先ずは市役所で、東北3大祭りに入る「竿燈(かんとう)祭り」をどうやって全国にPRし、観光で地域を活性化するかという話を聞きました。JR6社と自治体、観光事業者が一緒になって行う「ディスティネーションキャンペーン」というのがあって、今年は東北では秋田が選ばれたということでたくさんのパンフレットや冊子が作られていました。竿燈祭りは、長く伸びた竹竿の先に多くの提灯をつけて、それを持ってバランスをとり技を競うもので、どんなに感動的か情熱たっぷりに語る市職員の話に引き込まれました。
商業活性化事業については、新規創業者の「チャレンジオフィスあきた」事業、商店街振興事業、中心市街地商業集積促進事業について聞きました。秋田市は新幹線が停車する大きな駅前ですが、その周辺に店が入って、にぎわいを生み出すために、空きがあるビルのオーナーと話しをし、そこに店や事業者を入れるために補助を行っているとのこと。
そんな話を聞いたあと、駅前のホテルにもどり部屋から外を見ると、ロータリーをはさんで向かい側に2階以上が空いているビルがありました。こういうのをなくすために市は努力しているのだと役所で聞いた話を思い出しました。
さて、私は知らない街を目的もなく歩くのが大好きです。駅から5分ほど歩いてみると、閉鎖された大きなホテルを発見しました。後から調べてみると老舗ビジネスホテルで、市内に3店舗1050室を展開していたが2009年に廃業に追い込まれたとありました。確かに、なんてホテルが多い街だろうとの印象がありましたが、熾烈な競争があったのでしょうか。
さらに城址公園を過ぎて住宅街に入ると、これまた廃業した旅館を発見。廃墟が流行ったことがありましたが、なぜかこういうものに心惹かれます。都会より一足はやく人口減少が始まった地方都市の実態が感じられました。
さて杉並区も将来人口推計というのが出ていて、20年後はまだ微減ということにはなっていますが、増えることはありません。日本の人口は2008年をピークに減り続けています。
どうやって人口減少社会に適応していくか、経済成長を目指すのではなく、実態に合わせてどうコンパクトで、スローな社会になっていくか、今から考えることが必要で、それは楽しいことだと思います。