予算特別委員会質疑より② 公営住宅の家賃徴収に福祉の視点を

 

駅頭で区議会での取り組みを報告する 右は小松久子都議 荻窪南口で4/4

昨年9月に千葉県銚子市の県営住宅で、家賃滞納を理由に住宅明け渡しの強制執行日に、ひとり親家庭の母親が無理心中を図り、中学2年生の娘を殺してしまう事件が起こったこと、記憶にありますでしょうか。

家庭の収入は、母親のパート代7万円と児童扶養手当5万円で、申請すれば県営住宅の減免制度を受けることができたのに、母親はそのことを知らなかった。母親は同時期に国民健康保険の保険料も滞納しており、生活は困窮していましたが、国民健康保険は市区町村が受け持つため、県は状況を把握していませんでした。

母親が減免制度を知ることができれば、そして、困窮状況を県の担当者が把握し福祉につなげることができれば、事件はおきなくてすんだと思うと残念でなりません。二度とこのようなことが起きないよう、杉並の区営住宅での状況はどうか、また都営住宅を持つ東京都との連携はとれているか質問しました。

 区営住宅の滞納世帯数は74件、このうち1年以上滞納しているのが10世帯、2年以上の滞納が1世帯とのこと。区は家賃を払ってもらうために面談も行っているとのことでしたが、滞納してしまう理由を把握し、福祉的な視点を持って、業務をするよう求めました。

都営住宅についても聞くと区内には102棟、3266戸の都営住宅があり、家賃の滞納状況については区の福祉事務所に連絡が来ているとのこと。

銚子市の事例からもわかるように、滞納者は追いつめられた状態に置かれます。貧困から孤立状態になり自分から情報をとることができないことも想像がつきます。滞納が積み重なる前に会って話を聞き、状況を見極めた上での適切な家賃徴収が必要です。福祉的な視点を持って、家賃以外にも必要な情報提供を合わせて行うことを求めました。