小さき声のカノン ~ これから100年続ける、子どもを放射能から守る活動

地元杉並で、7月12日に行われた安保関連法案反対のデモに参加。区役所から高円寺を回り近くの公園で解散になったところ。都議の小松久子と一緒に。

阿佐ヶ谷に今年4月にオープンしたミニシアター“ユジク阿佐ヶ谷”で、鎌仲ひとみ映画祭が開かれていて、ずっと行きたかった「小さき声のカノン」を観てきました。

こんなに身近に数日に渡り鎌仲作品を上映してくれるような映画館ができたことをとても嬉しく思います。

 映画の舞台は福島県二本松市、お寺の住職一家とそのお寺が経営する幼稚園に通ってくる子どもとお母さん達を追ったドキュメンタリーです。二本松市は放射線量がかなり高いのに、避難区域には指定されていません。自主避難しても、家族が離ればなれになる辛さ、自分だけが逃げているという罪悪感など、様々なことを体験し、住職一家はここで家族一緒に暮らすことを選びました。幼稚園の敷地内だけは親や関係者が自分たちの手で表土を削り、放射能測定を繰り返し、安心できる値にまで線量が下がり、子ども達は園庭ではのびのびと遊ぶことができています。

 寺には全国から励ましの手紙とともに安全な食材が送られてきて、それをみんなで分け、ほしい人に配るための市を開いたりする中で、初めはその食材をただ分けてもらっていたお母さんたちが活動に加わり「ははレンジャー」部隊を結成するに至ります。そして、一緒に子どもたちを保養に連れて行ったり、通学路の途中で見つかった高濃度汚染地帯を除染したり、様々な活動をしながら結束を強めていきます。お母さん達が何度も迷い、泣きながらも、仲間がいるからここで頑張るということを繰り返し確認する姿は、とても人ごとには思えません。

 県内で開かれている身体検査で2008年度はゼロだった子どもの甲状腺がんが103人見つかりました。それを受けての説明会で、医師がこの103名を、検査をしたから見つかったもので、まぎれこみの可能性が高く、放射能との因果関係はきわめて低いと説明する姿には、開いた口がふさがりません!どこにもここにも御用学者が大活躍の日本では、かしこくならなければ身は守れないと心から思います。

 保養に行き、公園で子どもを遊ばせながら、それを忘れていた懐かしい風景だと語るお母さんの言葉に、奪われてしまった日常の大きさを思います。しかし保養を受け入れ、その間に子どもたちにできる限り良い物を与え、体内の放射能汚染をゼロまで持っていくことに努力してくれている人たち、このような人たちが日本の各地にいることも事実です。

その人達とつながって、あきらめずに頑張ろうと思います。