自分の家のプラスチック製品が海を汚染しているなんて!

プラスチックの洗濯バサミが粉をふいていました。この粉もマイクロプラスチックでした。

毎年ごみについてとことん語り合う、「東京23区とことん討論会」に今年もスタッフとして参加し、最近まで「河川にも!!マイクロプラスチック汚染の現状 -ますはレジ袋有料化へー」と題して行われた講演会のテープ起しをしたため、東京理科大学教授の二瓶泰男氏の講演を耳にタコができるほど聞きなおしていました。

 

マイクロプラスチックというのは5mm以下のプラスチック片のことで、それが海を汚していることの研究が進んでいます。ベランダに洗濯バサミを置いておくと、それが紫外線によって劣化し粉々に砕けることがあります。このようにプラスチックは放置されると熱や紫外線、川の流れや海の波によって劣化し、小さな破片になっていきます。そして軽いので、海まで流れ着いたプラスチックは外洋まで運ばれていることが2014年に環境省が行った調査でもわかっています。

 

このマイクロプラスチックの大きさは0.5ミリから0.9ミリほどで、これをプランクトンが食べ、そのプランクトンを魚が食べ、それを人間が食べる食物連鎖があります。マイクロプラスチックはPCBやDDTなどの有害化学物質を吸着しやすい特徴もあるため化学物質汚染が人間にまで及ぶのではないかと言われています。

 

二瓶先生の研究は人間が生活を送る市街地のプラスチックがどのように海に運ばれるかを調べたものです。調査では全国の23の川でマイクロプラスチックがどのように存在するかを調べました。そして人がほとんど住んでいないところを流れるきれいな川から、市街地を通って汚れている川まで、すべての川でマイクロプラスチックがあることがわかりました。次に市街地のプラスチックごみの調査も行い、ペットボトルのキャップやレジ袋、ライターなど、様々なゴミが落ちていること、また駐車禁止のところに立ててあるコーンやバケツが劣化して、その破片が周囲に落ちており、それらがマイクロプラスチックを化し市街地に堆積していることもわかりました。

 

このような市街地にマイクロプラスチックは雨が降ると河川に流れ込み、それが海まで運ばれることが調査によって証明されました。先生はマイクロプラスチックの海洋汚染を遠くの海で起こっていることだと思いがちだけれど、自分の住んでいるところが水を介して確実に川と海とつながっているので、川の問題、海の問題を我が事化してほしいと呼びかけました。

 

私はこの話を聞いてショックを受けました。外に置いてある発泡スチロールの箱を猫が削ってしまったもの、ベランダに落ちた洗濯バサミの破片、割れてしまったプランターやバケツ、それを放置すると、それらは決して自然に帰ることなく海に流れ着き、海洋生物に悪影響を与え続けることをリアルに実感したからです。今後は洗濯バサミはステンレスを買おう、なるべくプラスチック製品を選ばないようにしよう、劣化したプラスチック製品は早めに処分しようと思います。この事実を多くの方に知ってもらい行動を共にしてもらえたら嬉しいです。