HPVワクチン東京訴訟の傍聴記

裁判の前に行われたリレートークで掲げられた横断幕

11月22日、HPVワクチン薬害東京訴訟の第4回期日に行ってきました。

北海道恵庭市の金澤佑華さんが原告側の意見陳述に立ちました。痙攣する身体でお母さんに支えられながら立ち、様々な症状が出て、夢を持って入学した看護学校を退学せざるを得なかったこと、厚労省が指定した協力医療機関でろくに診察をしてもらえず「You Tubeを見て真似している」と言われたこと、今もその症状に苦しんでいることを訴えました。彼女の声は確実に裁判官に届いたと思います。この訴えの最中にも原告席にいた被害者は体調を崩し、外にでる場面がありました。

製薬会社の弁護士は被害者を前に、世界130か国以上でHPVワクチンが接種されている、世界では被害は全く起きていない、因果関係は認められない、WHOも進めている、接種勧奨が止まっていることで対象年齢の女性たちが子宮頸がんになる脅威にさらされているなどと陳述しました。

こんな陳述を聞かなければならない被害者の心情を考えるとやりきれない思いです。

毎回裁判には多くの人が訪れ、抽選になります。抽選に外れた場合でも、弁護士の方たちが近くに会場を用意していて、そこで報告集会が行われます。今回もいくつか並べられたテーブルに被害当事者と傍聴に訪れた人が座り、みんなで被害者の話を聞いたり交流をしたそうです。裁判が終わった後、集会の会場にみんなが集まり、裁判の様子が報告されます。その後みんなで情報や意見の交換が行われました。

そこで、被害にあった若い女の子から、ネットで誹謗中傷を受けたり、医者で何度も冷たい対応を受けて、自分は間違っているのか、悪いことしているのかと思いそうになった。

でもここで、自分の話を涙を流しながら聞いてくれて、あなたが悪いんじゃないと言ってもらえて、自分は間違っていないと思えたと。

被害者からは、多くの人が集まってくれたこと、自分たちの話を真剣に聞いてくれたことが本当にうれしいとの発言があり、裁判に関心を持ち継続して足を運ぶこと、周りに伝えることが、私たちができる支援だと思いました。

この裁判を応援する「HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク」への入会も支援になります

https://www.facebook.com/hpvv.yakugai.tsn/

以下は金澤佑華さんが陳述した要約です。

体を動かすことが好きで中学ではソフトテニス部の部長を務め、優しい祖母のように困っている患者さんを助ける看護師になる夢を持っていました。中学3年生の時にワクチンを3回接種しました。中学を卒業し5年制の看護の高校に入学しましたが、激しいめまい、頭痛、倦怠感が続きました。その後、けいれん、不随意運動過呼吸、うまく話せない、字が書けない、自分の家のトイレの場所がわからなくなるなど様々な症状が出て、生活ができなくなり、高校の近くでアパートを借りて、お母さんと一緒に住んで高校を続けようとしましたが、様々な症状により学校を退学されました。厚労省が公表している協力医療機関ではお母さんが「娘さんはYou Tubeを見て真似をしている」と言われ十分な検査もしてもらえませんでした。それまで治療を受けていた病院でも「そんなことしていて看護師になれるわけがないだろう」と言われたそうです。自分の目指していた医療からひどい扱いを受け、目指していた夢もあきらめ、日常動作をこなすことが精一杯でつらかった。

今も、けいれん、意識消失、脱力、めまい、耳鳴り、頭痛、不随意運動、視覚障害、睡眠障害、動悸などの症状に悩まされています。

私が裁判に参加しようと思ったのは、自分たちの被害が認められず、厚労省の検討部会で「心身の反応」といわれ、再びワクチンの積極的勧奨が行われようとしているのを知って、自分たちの存在が否定されたように感じたから。裁判という公平な場なら、私たちの「助けてほしい」という声が届くかもしれないと思った。名前を公表しようと思ったのは、1回目の裁判に来た時にたくさんの同じ被害者に会って、車イスで自分の意思を伝えている姿を見て、歩けるし話せる自分は伝えられることがあると思ったから。自分の苦しみ、辛さ、助けてという声を伝えられない同じ被害者の分も伝えたいと思った。

自分たちは早く元気になりたい、ワクチンを打つ前の体に戻してほしい、勉強がしたい、社会に出たい、家族に安心してほしい、はやく前に進みたいと思っている。 この裁判を通じて被害が認められ、治療法が確立され、普通の生活がおくれる体に戻すことを求める。以上

 

被害を知る者として、私もこれを伝え続けていきたいと思います。