今、政府は「エネルギー・環境に関する選択肢」に対するパブリックコメントを受け付けています。2030年の原発比は0%、15%、20〜25%のどれがいいか選択するようになっています。これについて政府が各地で国民の意見を聴く会も開催していますが、今回参加した会はいくつかのNGOや市民がつくった「脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会」が主催したものです。
まず、「エネルギー選択肢」について国家戦略室の清水康弘審議官から説明があり、それに対して市民からさまざまな指摘や質問がありました。重要な論点を記しておきます。
15%のシナリオ(政府はこれを選ばせたい意図が見える)は今停止している柏崎・刈羽原発、浜岡原発を稼動するか新しい原発を建設しなければ達成できない数字だが、そのことがどこにも書かれていない。そのことを資料に明記すべきではないかとの質問。ちなみにこのシナリオは再処理もありうるとなっており、六ヶ所村再処理工場やもんじゅもの計画を続けることになります。
パブコメの記入用紙は3つの選択肢に○をつけるような形式ではなく、自由記述になっている。この会に参加した、また各地で行われるデモや集会に参加している多くの市民は、今すぐすべての原発を廃炉にすることを望んでいる。それを記述したときに、政府の用意した選択肢には当てはまらない(政府は2030年に0%としているため)とされ、「その他」の意見として無視されてしまう心配がある。今すぐ全原発廃炉と書いた意見は0%を選んだとして扱われるべきだが、そうされるか。
締め切りが8月12日で、受け付けたパブコメはていねいに検討して結論を8月中に出すとしているが、検討の時間が短すぎる。どんな検討がされるのか今示してほしい。また分析結果だけではなく、パブコメそのものの情報公開を望むが、それをしてもらえるか。
これら質問についての答えはいずれもいただけず、会場では怒号が飛ぶこともありました。最後に学生さんが「自分は大学でこのパブコメのことを友人たちに話すと、ほとんどの人がこのことを知らない。そして、どうせ出しても何も変わらないんでしょと言われてしまう」と発言しました。国民的議論と言うなら、もっと本気でメディアを使って広報すべきだし、パブコメを受け付けるときにどのように検討されるかも知らせるべきなのです。
先ずはパブコメを出し、それがしっかり検討されることを最後まで見届けることが必要です。パブコメはこちらから!