子宮頸がんワクチン定期接種化の前に、全国の被害者の声を聞いてほしい②

東京新聞の特報面で子宮頸がんワクチンの副反応と問題点が扱われた

7日の保健所長の答弁に納得がいかず13日の委員会で再度、2012年6月「ワクチン予防接種が始まってから副作用の報告はあったのでしょうかと」という私の質問に、保健所は医療機関から重篤な副反応の報告を受けていたのに受けていないと言ったのは事実と違いますね、と確認しました。

すると保健所長は「本来なら医療機関から国に副反応報告がなされている事実に沿って答弁すべきでした。お詫び申し上げます」と謝罪しました。

被害者のお母さんが聞きたかったこの言葉が聞けて良かったです。

 そして区は法定接種と任意接種で生じる補償の差について、区として独自の制度を設ける方向で検討するという、自治体としては異例の対応をとることを約束しました。区はワクチン接種の説明書に「特別区自治体総合賠償責任保険」と「医薬品副作用被害救済制度(PMDA)」があることを載せています。しかし、今回の被害が起きて調べてみると、特別区の賠償保険は死亡または障がいが残った場合にしか使えないこと、PMDAもこれまで認定されたのはたったの10件で、しかも補償が受けられたとしても7万円ぐらいということがわかりました。補償制度はほとんど受けられない、と書くのが正しいような状況だったということです。

 7日の委員会で杉並区内に子宮頸がんワクチン接種で重篤な副反応被害が起こっていたことが明らかになると、朝日新聞、東京新聞、読売新聞、産経新聞、フジテレビや女性週刊誌などでも取り上げられました。2009年12月のワクチン薬剤販売開始から昨年末までに全国の医療機関から厚労省に寄せられた副反応の報告は984件、そのうち死亡1件を含む重篤が88件にものぼっています。このような被害があるにも関わらず、副反応の被害者が勇気を持って声を上げたのが初めてだったことがこの報道の広がりに表れています。

 副反応に苦しむ中学生のお母さんは「みかりんのささやき」というブログにお嬢さんがワクチンを接種した直後からのことを綴っています。そのブログにも全国の被害を受けた人たちから声がとどき、今「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が立ち上がる動きになっています。25日には永田町の星陵会館で全国から被害者が集り、緊急記者会見が行われることになりました。

 今開催中の国会では子宮頸がんワクチンは小児用肺炎球菌、インフルエンザ菌b型(ヒブ)とともに定期接種化の改正案が可決する見通しです。その前にぜひ、全国にいる被害者の声を聞いてほしい。そして副反応報告984件の追跡調査をしてほしい。この報告の多くがその後は不明となっており、被害者は救済されずに放置されています。多くの問題が置き去りにされたまま定期接種化されていいはずはありません。