なぜ中止の必要無し 子宮頸がんワクチン副反応を検討する審議会の結論
5月16日、子宮頸がんワクチンの副反応を検討する厚生労働省での審議会があり、傍聴に行ってきました。
特筆すべきことは、子宮頸がんワクチンを製造販売する製薬会社からの寄付を受け取っている委員が多いこと。この方達は議決に加わる権利がないとの説明が会の冒頭にありました。
審議会の委員は専門家といわれる方と医師の方々。参考人として複合性局所疼痛症候群(CRPS)に詳しい大学の教授が出席されていました。
驚いたのは、会の中でCRPSの学習の時間が取られていること。そして重篤な副反応の症例5例が示され、これがCRPSかどうかの検討がなされました。「これはCRPSに似た症状だが、ここの部分がCRPSではない」と。ここは副反応の検討をする場なのだから、その症状がCRPSかどうかということが問題ではないのに、なぜこれに時間がとられるのか理解できませんでした。
そして、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会からは、厚生労働省には報告されていないものも含む、会に寄せられた事例24件を資料として提出し検討されることになっていました。その資料を1分でその場で読んでください、と座長から指示がありました。症例を24例もその場で1分で読めるわけはありません。そして、症状とは関係ない指摘、医学的に判断できる報告ではないという理由から、その内容について審議されることはありませんでした。
その後、座長はこのワクチン接種の継続について、委員全員の意見を求めましたが、半分は意見を言わず、製薬会社から寄付を受けている委員の「(副反応症例が)集中的、多発的でないのならば、中止はありえない」との発言に押されるように、審議会では議決もとらず、事業を継続して経過を見守りましょうという結論が出されたのです。審議会のあり方には怒りと失望しか感じられませんでした。
接種はしばらく継続されますが、多くの方にこのような事実を知って、娘さんに接種を受けさせるかどうか判断していただきたいと切に願います。
これを受けて、被害者連絡会では以下の抗議文を出しました。
抗議声明文
ワクチン分科会副反応検討部会の結論ー接種継続ーに抗議する!
私たちの娘を人体実験の道具とすることは絶対に許さない
本日、「平成25年度第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成25年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)」の会が厚生労働省で開催された。私たち連絡会は、この会議に合わせて、会に寄せられた子宮頸がんワクチン被害症例24件を提出した。
ところが、「子宮頸がんワクチンの予防接種法に基づく接種を一時中止し、副反応の状況を確認すべきか」との審議項目にあたり、委員たちは症例のすべてを仔細に検証することなく、<発症の時期が(通常経過観察が必要とされる)28日を超えているものがある>、<(想定外の)多様な症例がある>などと一部を捉えて発言、仔細に検証することもなく、私たちのデータのすべてに疑いの声を寄せた。
薗部友良(育良クリニック小児科顧問)氏は、「(副反応症例が)集中的、多発的でないのならば、中止はありえない」との発言をした。座長に「全員が発言を」と促されたにもかかわらず、意見を表明しない委員もいた。結局、桃井眞理子座長(国際医療福祉大学副学長)は、「中止するにも、再開するにも、(そうすることの)論拠が必要」、「医学的データを収集してからでないと(中止の)判断が出来ない」と言い、継続を結論とした。
しかし、このワクチンの予防効果は極めて限定的であり、子宮頸がん予防のためには検診で十分であることはすでに医学的に証明されており、中止しても特段の弊害はない。にもかかわらず接種を継続するということは、今後も被害の発生を容認するという宣言となる。つまり、薗部委員の上記発言、ワクチン接種の費用が、製薬会社の臨床試験でなく日本の国家予算で行われていることを合わせ考えると、私たちの娘を人体実験の道具にするとの宣言に等しい。
当会は、本日の結論に強く抗議すると共に、重ねて、子宮頸がんワクチンの接種中止をここに求める。
以上