オリンピックで生き物の楽園を壊さないで!
生活者ネットワークが継続して行っている「みどりと生き物調査」に参加し、葛西臨海公園を野鳥の会の方のガイドで歩いてきました。
東京でのオリンピック開催が決まり、カヌースラロームの競技施設の葛西臨海公園での建設計画が問題となっています。
葛西臨海・海浜公園がつくられたときの宣言を初めて聞きました。「東京で人と海がふれ合える“最後の砦”として、葛西の海岸や三枚洲をすみかとする鳥や海の生き物を守り、人・水・緑がかなでる新しい町を作りたいという多くの人たちの願いを受けて検討かつ決断されたものである」というものです。残された遠浅の海岸線は、豊かな生物の生息地となっています。海浜公園に面した海には貴重種の渡り鳥も多く飛来し、多いときには16万羽の渡り鳥を観察したそうです。東京湾にラムサール条約にも登録できるほどの豊かな渡り鳥を受け入れる場所があることに本当に驚きました。
公園の中では施設が計画されている予定地を歩きました。大きな木が根をはり、低木が海からの風をさえぎり、実のなる木は鳥たちに冬の間の食料を提供しています。くぼ地には自然にススキ、蒲の穂、荻などが根付き140種類の昆虫が生息しているということで、夏には子ども向けの観察会が開かれたり、大人向けに鳴く虫の音を聞く会が開催され多くの人たちの憩いと自然を学ぶ場となっているということです。大きな望遠鏡を通して見せていただいた鳥の姿はどれも愛らしく、野鳥の会の方たちが守りたい気持ちがよくわかりました。
その豊かな臨海部の自然を壊して競技施設をつくるのは止めなければなりません。野鳥の会ではちゃんと代替案として、臨海公園に隣接している駐車場やグランド、既にコンクリートで固められている空き地部分を提示しています。他にも中央防波堤などいくらか代替案はあるそうです。
この事実を多くの人に知ってもらいたいと思います。野鳥の会ではカヌー競技施設計画の見直しを求めて署名活動をしています。ぜひこちらから署名をお願いします。また葛西臨海公園でのバードウォッチングをしながら歩く自然観察会は定期的に行われていて、どなたでも参加できるそうなのでぜひ参加して楽しまれることをお勧めします。多くの人とこの事実を共有し、東京に残された貴重な自然を守りたいと思います。