基本構想とは、10年後にどんな杉並にしたいか、どのような地域に住みたいのか、というビジョンです。
私はこの基本構想が目標とする「安全・安心に暮らせるまち」「みどりゆたかな環境にやさしいまち」とは災害に強いだけでなく、都会であっても食料供給源である今の農地が守られ、身近なところでエネルギーを自給できるまちであるべきと考えます。
そこで委員会で行った質問からいくつか抜粋して紹介します。
1.太陽光発電の更なる普及に向けて、発電機器の設置助成のみが示されていますが、ほかの方法もあるのではないのでしょうか。多様なシステムがあったほうが設置は拡がります。市民が主体的に参加するメリットをもたせる方式として、市民ファンドに取り組む自治体が増えています。たとえば長野県飯田市では初期投資0円の住宅用太陽光発電システム普及事業を市民ファンドを運営する会社と共同事業で行っています。最近、区も関わっている杉並・地域エネルギー協議会が太陽光発電設置者を対象にアンケートを実施しましたが、今後の補助金の方向性・市民共同出資についての設問があります。先日、まだ中間報告の段階で速報値でしたが、それによると「既に出資している」「出資を希望する」「出資を検討してみたい」との回答が約60%になり、非常に前向きな姿勢がうかがえます。
市民との共同出資でファンドを設立することで資金を確保し、区内の太陽光発電設置をさらに大きく進める、このような市民ファンドについて区のお考えは。取り組んではどうでしょうか。
2.また区外に発電所をもつ、という発想はどうでしょうか。例えば風力、小水力、バイオマスなどの発電設備を杉並区と交流のある、あまり遠くない都市に設置する、という可能性はないでしょうか。検討されてはいかがでしょうか。
3.去年の3.11以降杉並区では脱原発を主張する市民の大きなデモが行われるなど、これまで無関心だった若者や子どもをもつ親達の、電力やエネルギー政策に対する意識が大きく変わったことが見て取れます。この変化を区は活用すべきだと思う。区との協働においてはこれまで一緒にエネルギー問題に取り組んできた区民だけでなく、新たな人たちとの意見交換の機会を持ち、新しい企画に多くの人が参加することが大きな効果をもたらすと考えますがいかがでしょうか。
それぞれの質問についての行政の答弁は概略、以下のようでした。
1. 来年度から杉並エネルギービジョンを作成する予定です。・・・・実現性も踏まえて参考意見として拝聴させていただきます。
2. 研究するテーマではあると思うが、困難だと思います。
3. 広く区民、事業所とも連携し、皆さんからの意見も参考にし、大切にしてやって行きたいと考えています。
この答弁を担当課もらった後、副区長が立たれて、以下のようにおっしゃいました。
エネルギー政策は難しい問題で、これまであまり検討してきていない分野です。所管からは非常に楽観的な話をしましたが充分に検討してまいりたいと思っています。
つまり、担当課は積極的にやると言ったが、それは楽観的すぎだと副区長が釘をさしたのですが、答えのどこがすごく積極的なのか良くわかりませんでした。行政の答弁を理解するのは難しいです。でもぜひ積極的に区も一緒にやってもらうよう、今後も働きかけていきたいと思います。