ワクチンには種痘が天然痘を根絶したような輝かしい成果があった反面、副作用もつきもので健康な子どもに対して行った注射が原因で、重い病気にかかってしまう例が常にありました。子宮頸がんについてもさまざまな副作用の報告がされ、失神、意識消失の症状があったとされています。
日本消費者連盟の消費者レポートでは子宮頸がんワクチンには効果を増強するための免疫増強剤(アジュバント)が添加されていて、この免疫増強剤に新しい成分が使われており、それによる副作用については、まったくわかっていないところを問題視する声が掲載されています。
導入時には効果だけが大々的に宣伝されますが、子宮頸がんワクチンについても、賛成論、慎重論があることは知っておくべきと思い、区にも副作用についてどう考えるか、副作用の報告があったのか質問しました。
区の答えは、接種部位の、疼痛、発赤、腫脹などが高率で見られるが、区が指定する医療機関からその他の報告は受けていないとして、さらっと流されました。
WHOの考え方は、子宮頸がん予防には検診、ワクチンの導入、どうすれば感染を減らせるかについての教育、新しいワクチンのモニタリングというトータルな戦略が必要である。子宮頸がんに対するワクチンの効果を計るには何十年もかかる、というものです。
予防接種を受ける本人が、子宮頸がんがどういう病気で、ワクチンはどういう効果が期待されるのか理解して受けるべきではないでしょうか。子宮頸がんは性交渉によって感染するのですから、性教育をきちんと受け、性感染症について知ることは不可欠です。
そこで、ワクチン対象者に子宮頸がんをどう説明しているか質問しましたが、ワクチン接種の案内を送るときに説明書を同封し、接種時に医師が説明しているだけということ。
予防接種の対象が中学1年から高校2年生までで、学校で性教育が行われるのが中学3年ということを考えると、家庭での話し合いを助ける取り組みが必要だと考えます。
しかし、日本には性のことをタブーにしてきた文化があり、親子で性の話ができるという家族は多くありません。友人たちが区内で開いた性教育の取り組みを紹介し、親子が性のことを話せるきっかけになる、また性教育とはどんなものなのか親が知るための勉強会や講演会を開催したり、そのようなことに取り組む活動団体を応援するよう要望しました。
フランスでは本人がワクチンを必要と理解できる年齢になるまで待つという考えかたで対象年齢を14歳から15歳に設定しています。日本は、子どもが理解するというよりは、お母さんに理解してもらって進めたらいいとする考え方です。でも子どもを個人として尊重し、正しく情報を知らせ、自分の体のことは自分の責任で考えて決める、その姿勢を持つようになることが自分を守るために大切だと考えるのです。