インクルーシブ教育を進めたい 2017年第4回定例会の一般質問より
2014年に日本が批准した障害者権利条約には、障がいのある人が、インクルーシブ教育制度の下に良質な教育を受けることがうたわれています。インクルーシブ教育とは障がいのある子も障がいのない子もできるだけ同じ場で共に学び、障がいのある子に必要な配慮がされ、学習活動に参加している実感を持てることが大切だとされるものです。
区内でも通常クラスに知的に障がいがある子どもが共に学んでいるケースがあります。その子どもたちには個別の指導計画がつくられ、必要に応じて人が配置されなければなりませんが、対応が十分でないとの声が聞かれます。世田谷区では個別指導計画がつくられ、時には学生ボランティアが入るなど手厚い配慮がされているとのこと。杉並区でも個別指導計画をつくり学生ボランティアの活用も含め人を配置し、十分に対応がされるよう求めました。また、そのような子どもが学校ではうまく行かなくても、放課後に過ごす居場所ではうまく行っているケースがあり、居場所にいる作業療法士などの専門家と情報を共有し、学校でのサポートを充実するよう求めました。
教育長から、3年前にPTA協議会がインクルーシブ教育を学ぶことをテーマにし、初めに大阪の小学校を舞台にした「みんなの学校」という映画を観て大変共感したとの話がありました。この公立小学校は在籍児童数299名のうち特別支援学級在籍児が53名、通常クラス10クラス、特別支援学級10クラスとなるところを、特別支援学級をすべてなくし、通常学級10クラスで各クラスに先生を複数配置する形でインクルーシブ教育を実践している学校です。この映画の上映会や映画に出てきた校長の講演会が区内で相次いで行われていて、学校のサポーターになりたいと考えている人が増えています。区でも、この動きを受けて校長先生同士が話し合い、学校をより地域に開いていくための取り組みを進めてほしいと思い、それを求めました。