中野の区立中学のオンライン授業を視察

中野東中学校の玄関で

中野区の中野東中学校が、民間のコンサル会社を入れて行っているというオンライン授業の視察に行ってきました。

 

ここで、コロナ禍での杉並区の区立学校がどんな状況だったか記しておきます。小中学校は3月2日から突然休校になり、5月いっぱいまでお休みでした。息子が通う中学校の生徒へのフォローは休校期間中にトータルで3回ほどクラス担任の先生から電話をもらったことだけだったと言っていいと思います。
4月に進級したときには親が新しい教科書などを学校に取りに行き、課題の書いたプリントをもらい、休校期間中はそれを勉強しておいてくださいと指示がありました。保護者からは子どもが勉強せず、タブレットやスマホ漬けになって、昼夜逆転の生活を送っている。せめて朝にオンラインでホームルームだけでもあったら起きてくるのになど切実な訴えを受けることもありました。私立学校や他区でオンライン授業の取り組みを始めたとの話を耳にし、保護者としては、いったい教育委員会や学校はこんなに長い休校の期間中に何をしていたのかとの疑問を抱かずにはいられませんでした。

 

コンサルとして中野東中学校に入っているスクールエージェント株式会社の田中さんは私立高校で数学科の教師をされている方でした。田中さんは学校の先生達に、生徒を惹きつける授業動画の撮り方をレクチャーし、動画づくりで疑問があるときは直接質問にも答えているとのこと。最初に「おっ」と思う話題を出し、それはどんな背景で起こったのかなど、先が聞きたくならずにいられない授業構成の話に、私も続きが聞きたくなりました。オンライン授業のいい点は、プリントを配るとか板書などの時間が短縮できることで、1年間にやるべきカリキュラムを全部オンライン授業にすると3分の2の時間ですべてのカリキュラムができるということでした。また、1回で理解できなかったときは何度も見て理解を深めることができたり、不登校の子どもも家で勉強できることも大きなメリットです。

 

この学校でこのオンライン授業を導入できたのは、校長先生の英断が大きく、それに応え学校側の窓口となった先生の存在も大きかっ

生徒と先生の双方向のコミュニケーションの仕組みの説明を受ける

たと感じます。その先生は民間企業で印刷機器などの営業販売の経験がある方で、プレゼンの資料をパソコンでつくる経験も役に立っているとおっしゃっていました。

 

担任はクラスの生徒ひとりひとりとラインのようなやりとりができるようになっていて、不登校の子どもとの連絡がとりやすくなり、子どもから先生に連絡が入るようになったこともあったということです。この大容量のデータ通信を支えているのは民間企業が非常に安価で容量を無限提供していることだそう。

 

授業が4月末からオンラインで提供されているということには、同じ公立での大きな違いに愕然としました。

 

さて、この視察には杉並区教育委員会から済美教育センター所長とオンラインを担当されるという若い職員も同行しました。百聞は一見にしかず、実際にこれを見て体験できたことは大きな収穫でした。杉並区の今後にも期待したいと思います。