棟方志功展を観てきました
この間、所属している文教委員会や文化芸術・スポーツに関する特別委員会で話が出ていた棟方志功展を観に、郷土博物館に行ってきました。
棟方志功は荻窪に住み、そこで多くの作品を世に出し、世界のムナカタと言われるようになりました。展示室の前のビデオからは、有名な志功が板に顔をすりつけるようにして彫刻刀で彫るところ、故郷のねぶた祭りで喜びを全身に表し踊るところ、キャンパスに油絵具をたたきつけるようにして富士山を描くシーンなどが流れていました。
展示室には杉並区界隈にいた作家の本の装丁を手掛けたものが多く展示されていました。
印象的だったのは厠のエピソード。アパートのふすまいっぱいに絵を描いたら大家さんから強く抗議を受け、厠だったらいいだろうとそれからずっと厠の壁に観音様を描き続けたと。ここだったら見つからない。厠は大安心の場所と。そのトイレと壁の絵を実物大に復元したものも展示されていました。大人になっても無邪気で純粋な笑顔と態度で芸術を追求する姿に惹きつけられます。
荻窪のアトリエをきれいに片づけてお茶会を開き、壇一雄や草野心平など親交のあった芸術家たちをもてなした楽しい一連の写真も魅力的でした。
和田堀公園に隣接し、紅葉と晩秋の澄んだ青空、移築された古民家では火が入れられた囲炉裏を囲んで一休みできる、郷土博物館はそんな素敵なところです。この空間と展示をぜひ多くの人に楽しんでいただきたいと思いました。特別展は12月5日までです。ぜひお出かけください。