予算特別委員会より① 外国人受け入れで豊かな共生社会の実現を

近所の神社で餅つき、留学生の寮でも毎年餅をついていましたよ。

今年1月7日の毎日新聞に「外国籍の子就学不明1.6万人/100自治体調査義務教育対象外」との記事が掲載されました。毎日新聞が義務教育を受ける年齢の日本在住の外国籍の子どもが多い上位100市区町村でアンケートを行ったところ、学校に通っているかどうか確認できない子どもが1万6000人以上確認され、自治体の4割が就学不明の子どもの状況を全く調べていないことが明らかになったという内容です。区の状況を聞くと、就学義務がないから調べていないということでした。就学年齢の外国籍の子どもは318名登録があり、そのうちの就学不明の子どもは140人と多いことに驚きました。

 

日本は子どもの権利条約を批准しており、締約国はすべての子どもの教育を受ける権利を保障することになっているのですから、自治体もそれに沿って動いてほしいと思います。また、今日本に住んでいる子どもは将来も住み続ける可能性が高いのだから、その子たちが教育を受けることは日本にとっても重要なことだと思います。どう考えるか区に聞くと、外国人の子どもに就学を促すことは大切なことで、文科省も来年度調査をするとしているので、区としても足りないところもあったが、今後前向きに取り組むとの答えを得ました。

 

私は以前文京区にある留学生の支援団体で16年間仕事をしていました。そこで、文京区の交流協会と協力して日本語ボランティア養成講座を開催し、講座を受けた人たちが中心になって運営する、日本語教室を立ち上げました。現在も文京区内にあるボランティア日本語教室が連絡会をつくり、毎年日本語ボランティアの養成を行っているという事です。

そこでの日本語ボランティアの考え方は、教える、教えられるではなく対等な友人の関係。日本語を通して交流をはかることを基本にしていました。外国語力は必ずしも必要なく、交流を楽しみたい気持ちがあれば誰でもできるものです。文京区で現在も行われている日本語ボランティア養成講座には、近隣区からも参加があり杉並区からも参加があるそうです。ご自身の海外で助けられた経験から日本にいる外国人の力になりたいなどの理由で参加される方が多く、杉並区でもそのような思いを持った方々の力を発揮できる場があればいいと思いました。

 

先日一緒に講座を開催していた仲間に話を聞くと、文京区で外国人の子どものための日本語学習教室を立ち上げたとのことでした。毎週1回ボランティア10名、子ども10名ぐらいの参加があり、そこにはボランティアで留学生もかかわっているそうです。

このクラスには親も通ってきて、子どもが勉強をしている間にボランティアと話をし、学校からの配布物の説明をしてもらったり、ちょっとした困りごとを相談できるようになっているということです。日本に半年しか滞在しない予定の子どもが来た時には、ボランティアのネットワークでランドセルや制服が集められ提供したこともあり、学習支援だけでなく必要な支援が行われていることに感心しました。日本の学校の慣習や体操服をどこで買ったらいいかなど、日本人にとっては子育て経験が生かせる場になっているそう。同じ境遇にある子ども同士の交流、親同士の交流ができることも貴重です。このように様々な立場の人が交わる居場所をつくることで子どもも親も支援し、日本人ボランティアにとっても豊かな経験ができる拠点を杉並区でもつくるよう求めました。

 

4月に改正入管法が施行され、杉並区でも外国人が増えることが予想されています。今いる外国人が暮らしやすい環境をつくることで今後にそなえ、杉並でも豊かな交流が育まれる共生社会を築いてほしいとの思いで区の考えを聞くと、前向きな姿勢が示されました。