「杜人」は世界観を変えてくれる映画でした

友人の前田せつ子さんが撮った映画「杜人」を観てきました。

それは世界を見る目を変えてくれる映画でした。

「ナウシカのような人に、出逢った。植物や虫、大地、生きとし生けるものの声を代弁するような言葉はナウシカのようだった」というせつ子さんの言葉。それが矢野智徳さんでした。

「杜」とは、この場所を「傷めず 穢さず 大事に使わせてください」と人が森の神に誓って紐を張った場

以下は映画を観る前に、矢野さんと前田さんのお話会に参加して書き取った言葉です。

植物が地上と地下の空気と水の循環を担う脈をつないでいる。

大地の呼吸を支えているのが地上の枝葉と大地の中の根っこ。

大地と空間を繋ぐのが植物の機能。

地上と地下の見えない脈を繋いでくれていることが見えてきた。

風がやるように草を刈る。風にならった間伐。

大地の表層5cmをいじるとみんなを応援できる。

人間は足りすぎて本質が見えなくなった、よれたエネルギー。

土砂崩れで土が高いところから、低いところへ行くのは当たり前。土は動きたがっている。

これ以上行ったらもう動かざるをえないとなる。

土はあらかじめあるわけじゃない。風化があって土が存在し、命が存在する。

地面は常に動いている。バランスを保ちながら付き合っていくもの。

地球全体が渦のように動いているのに、人間は直線で仕切ろうとする。

人都合が先だったら環境問題の解決にはならない。宇宙の都合、自然のシステムで動いている。

大地、気象、生物に人の都合で行ったので、すべてが狂ってしまった。

その場所の脈の機能を再生すれば環境は良くなる。

足りないものを補おうとする動きが循環を生み出す。

満たされないことが当たり前で補い合って満たされる。

大気と大地の循環を担うために息づいている。

どの生き物も足りていないが生きている。

人間が足元の環境を保つような生活ができるかにかかっている。

全ての言葉が詩のようで、示唆に富んでいて、胸にストンと落ちる。人間が世界をめちゃくちゃにしてしまった。矢野さんは植物や虫、生き物たちの代弁をしているようで、でも穏やか。こんな風に言葉にされたら、多くの人が自分の生活で環境を保ちたいと素直に思うだろう。

前田さんは、こんな矢野さんの全てに感動し、この記録を残したいという強い情熱で初めての映画を一人でつくってしまった。そのことに心からお礼をいいたい。せつ子さん、本当にありがとう!

そして一人でも多くの人にこの映画を観てほしいと思いま

舞台挨拶をする前田せつ子監督

す。

矢野智徳さん