子どもを権利の主体として認め尊重する~そね文子の提案②~

区議会で質問するそね文子

2020年から続いたコロナ禍は子どもに多くのことを圧しつけ、楽しい体験を奪いました。長時間のマスクの着用や給食の黙食を強いて、楽しみにしていた行事や修学旅行は中止され、大人が決めたルールに振り回された3年間でした。

大人も子どもも家の中で過ごす時間が増えたことで、見えないストレスによって子どもへの虐待や家庭内暴力が増え、子どもの自殺は昨年514人、不登校も24万人と急増し過去最多となりました。

日本は諸外国と比べて極端に子どもの自己肯定感が低く、自分を幸福と思えない子どもの割合が高いことが指摘されています。それが子どもの自殺と関係ないはずがないと思います。子どもが大人から「あなたはあなたのままでいい」と認められない社会だからではないでしょうか。

子どもや若者があるがままに受け入れられる、その子らしい成長を誰からも妨げられない。そういう社会でなければ子どもの自己肯定感は高まらないと思います。

それこそ国連の子どもの権利条約の理念であり、この4月から日本で施行されたこども基本法、それより少し前にできた東京都もこども基本条例に明記されたところです。

生活者ネットワークが30年前から訴えてきたことがようやく実現し、これを実際に動かすときです。実際に活用し運用するのは身近な自治体である杉並区です。子どもが生活する現場である杉並区こそがその中身を埋めていくのだと考えます。

去年の区長選にあたって、生活者ネットは岸本区長と「子どもの権利条例の制定」を政策のひとつに協定を交わし、当選後の今、実現に向けて動き始めました。2026年には杉並区にも児童相談所ができる予定で、そのためにも、子どもの権利条例が必要です。

なぜなら、子どもは守られる・保護されるだけの存在ではなく、自ら育つ力があり、意見を表明する・発信する主体であるということを、子どもも大人も認識する必要があるからです。それがあって初めて、子どもは心も体も健康に、自分に自信をもって生きる力を発揮できると思うのです。